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久しぶりに愛用のアンティークカメラで写真を撮りました。
すっかり感が鈍ってしまったので、距離や露出、ピントを
合わせるのに時間がかかってしまいましたが、構図を決めて
ゆっくりとシャッターをきったら、カシャリといい音がして
手動式の巻き上げレバーの感触もなんだかワクワクしました。
銀座の中古カメラ店「レモン社」でこのカメラと出会った時
私にとってこのカメラが何か特別な存在になる予感がしました。
フォクトレンダー社の60年代のカメラ「ビトー」はレンズも
ボディも傷ひとつなく、綺麗な茶色い皮のケースまで付いて
値段も3.5万円と手頃だったので私にも買えたのですが
前の持主の方がどうしてこんなに大切に使われていたカメラを
手放してしまったのか、その頃の私には分かりませんでした。
二度と製造されることのないアンティークカメラだからこそ
自分が使わなくなったなら、たくさん写真を撮って可愛がって
くれる人に手渡していく・・・
大切だからこそ、あえて手放すことがあることを
私はこのカメラを通して知ったのでした。

たくさん写真を撮って、ずっとずっと大切にしたいと思います。


数駅先にある喫茶店にぶらりと行きました。
以前この街に住んでいた時によく通ったお店ですが、ずいぶん御無沙汰してしまいました。
スパイスのきいた濃厚なチャイを飲みながら、昨日の話の続きをするようにお店の人と久しぶりに
のんびりとお喋りしました。
やわらかな照明の灯や暖かく燃える薪ストーブやハンドメイドのベッチンの座ぶとんの椅子は
居心地が良くて、なにひとつ変わらずに存在している空間にいると、この街に住んでいた時に
タイムスリップしてしまいました。
その頃いた猫のゴンちゃんが天井の梁にいないのがちょっと淋しいけれど、大好きなタマネギの
クッキーはまだあったので、ケニア紅茶と一緒に買ってかえりました。

雑貨のお店を覗いたり、パン屋さんで買物したり、うろうろしていたらお腹が空いたので
広味坊でごはんを食べました。
こちらのお店は「料理の鉄人」にも出たことのある31歳の女性料理長がやっている中華料理店で
遠方からわざわざいらっしゃるお客様や、ご近所の御老人が皆で老酒を飲んでくつろいでいたり
とてもアットホームな雰囲気のお店です。
アイディアに溢れた創作的な料理は、8歳からお店を手伝ってきた料理長の生きる姿勢が表れていて
素材が活かされた繊細で大胆な料理は何度も足を運びたくなる美味しさです。
今日はピリっと辛いチャーハンと、大根おろしをかけたさっぱりした水餃子と、とろけるような
プルプルの杏仁豆腐をいただきました。
食べたばかりなのに、また食べたくなってしまいました・・・。


引越祝に頂いた椿の小鉢は器のお店をされているKさんにリクエスト
して頂いたものです。
数が揃っているので、お客様がいらした時に取り皿にしたり、後から
買い足したお皿と合わせてセッティングしたり、大活躍しています。
私は基本的に物を増やしたくないと思っているので、器を買う時も
慎重に選ぶようにしているのですが、気がつくとずいぶん沢山に
なっていました。
食器棚を持つとドンドン増えそうなので、ガスレンジの下の棚に
整理できるだけと決めているのですが、かなり限界にきています。
先日、10年前からほとんど毎日のように使っていた片口鉢を割って
しまいました。
けして高価なものではないのですが、あまりにもショックで
粉々に散った欠片をしばらく処分することが出来ませんでした。
器にも人と同じように、縁のような巡り会わせを感じることが
あります。
出会いがあったり、別れがあったり
ポッカリ空いてちょっと淋しくなってしまったスペースに
今度はどんな器がやって来るのだろう・・・

バスタイムを楽しくする為にいろいろな入浴剤を用意しています。
炭酸ガス入りや保湿効果のあるもの、色や香りやハーブなど
その日の気分で選んで心身共にリラックスすると、安らかな眠りに
就くことができます。
ちょっとしたことですが、気分良く1日を終えると元気に次の日を
スタートすることができます。
最近はじめた小さなことで、大きなことに繋がっていることは
枕元に次の日に着る服を用意しておくことです。
面倒くさがり屋で怠者の私は、なんとなくぼんやりと過ごしてしま
うことが多々あるので、最初のスタートをスムーズにすることで
1日の流れを作ることができました。
充実した健康的な生活を送るために自分に合ったカンタンで楽しく
続けられることを見つけることが、今年最大のテーマです。

ネネの日常をもっと紹介して欲しいという、嬉しいリクエストをもらうことがあります。
写真は閉まりかけたふすまから無理矢理に中に入ろうとしているネネです。
オチャメなネネに今年もたくさん登場してもらおうと思うので、楽しみにしてくださいね。

ネネの1日は私を起こすことから始まります。
朝なかなか起きない私に思いっきり猫パンチや頭突きをしたり、テーブルの上のモノを落としたり
朝から大騒ぎしてゴハンくれ〜、猫ドアを開けてくれ〜と暴れます。
どんな目覚まし時計よりも確実に起こしてくれるので、なにげに役に立っているネネなのです。
ネネは外が大好きなので、どんな天候の日でも元気に外へ出掛けて行きます。
そしてお昼過ぎにホコリまぎれになって、のっそりと戻って来ます。
水をたくさん飲んでゴハンを食べてから、押入の羽布団の毛布に包まってグッスリとお昼寝して
それから目覚めるとまたゴハンです。
何日も食べていないような食べっぷりで、1日に何度もゴハンを食べる食いしん坊なので
私が魚料理を食べる時は大騒ぎします。
かなり高齢だけど、ものすごく元気なのは沢山ゴハンを食べるからかもしれません。
いつかネネの食べっぷりも紹介しますね!

新宿に用事で出掛けたので、帰りに高野でクリーミーメロンパンと
クリーミーストロベリーを買って帰りました。
新宿本店には本格的なベーカリーがあって、こちらのメロンパンは
本物の果汁を加えたカスタードクリームが中に入っています。
メロンパンブームの火付け役にもなったフルーツ店の看板商品は
美しい緑色を残すように焼き上げられていて、しっとりしたビスケ
ット生地はほんのりとメロンのいい香りがして、上品な甘さです。
可愛らしい制服を着たお店の女の子が、ひとつずつ丁寧に
メロンパンを袋に入れて、空気と一緒にやさしく包み込むように
クルクルっと手の平で袋を回す姿に思わず見とれてしまいました。

やさしいお話が読みたくなったのでパラパラと「星の王子さま」の
ページをめくりました。
作者自身が描いた淡い水彩画の挿絵がすうっと心に入ってきて
サン・テグジュペリの紡ぎ出す星の欠片のような言葉が
ひとつひとつ心に染みてゆきました。
どんなお話だったかすっかり忘れていたのですが
いろんな星を旅して、自分の星に置いてきた我がままなバラのことを
たまらなく懐かしく思う王子さまのように、私もページをめくる度に
今まで気づかなかった大切なことを発見しました。
王子さまが「はかない」という意味を知って、バラのことを思ったり
友達になったキツネが王子さまと さよならする時に、お土産にひとつ
秘密を贈ったり・・・
「砂漠が美しいのは どこかに井戸をかくしているからだよ」
王子さまの言葉に耳をかたむける作者と同じように
私も目に見えない井戸を心の中で探しました。

昨日はピンポイントギャラリーさんで29日まで開催されている
佐々木悟郎さんの写真展のオープニングに伺いました。
去年、えい出版社から文庫本として出版されたフォトエッセイ集
「ライカ百景」から日常を切りとった味わい深い写真と最近の写真
イラストのコラージュ作品が会場いっぱいに展示されていて
イラストレーターの大先輩でもある悟郎さんの本質を、写真という
新たな表現でたくさん拝見することができました。
写真もイラスト同様に、どこか懐かしくてやさしくて美しい光に
満ちている伸びやかな世界が広がっていました。
言葉では表現できない音楽のような豊かな感性を感じる写真展でした。

普段はひっそりと息をひそめている植物が何かの拍子に語りかけてくる時、いつもの散歩道も
どこか違って、時間が止まったような不思議な静けさに包まれます。
自然の作り出す色や形の美しさに思わず立ち止まって魅入ると、意志を持った生命の息吹きは
別の次元へ誘うように光を放ちます。
ヤツデがまぁるい花をつける時、葉牡丹が色鮮やかな葉を重ねる時、ツタが深紅に染まる時
そこには小さな宇宙があって、太古の昔から受け継がれている神秘を改めて考えてしまいます。
そして同時に、今ここにいる自分の不思議
会ったこともない祖先や今まで出会った人達・・・
いろんな人のお陰で自分がここに存在していることを、小さな宇宙は静かに教えてくれました。

6433人の命が奪われた阪神、淡路大震災から今日で10年を迎えました。
流れるゆく月日の中で「あの日」の記憶が薄れていきますが、尊い命を落された人達の無念を
心に刻み、思いやりと感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいと思います。

あの日、凍えそうな朝に突然旅立たなければならなかった人達の御冥福を、心よりお祈り致します。

深大寺にはお蕎麦屋さんが何件もありますが、植物公園前の「玉乃屋」さんは囲炉裏があるので
この時期は迷わずに、ここでお蕎麦をいただきます。
石臼でひいた、ひきたての自家製粉を使った手打ちの十割蕎麦は、噛むごとに蕎麦粉の風味が
広がって、喉越しのよい粘りの中に繊細さと力強い蕎麦の醍醐味を味わうことができます。
桜の枝がこうばしく燃えている側で、冷たい 冬の空気と一緒に頂くお蕎麦は本当に美味しくて
仕事が一段落した後に、ここでゆっくりと過ごすのがなによりも自分へのご褒美になっています。
囲炉裏の煙が静かに舞い上がるのをぼんやりと眺めながら、見上げる空はお店の中央にある
大きな桜の木と呼応して美しく輝いています。
寒いのは苦手だけど、寒さのお陰で味わえる幸福もあるのだと感じる瞬間です。

陶芸教室に昨日も今日も行きました。
イラストのお仕事も忙しいのですが、4月の個展の作品をたくさん
制作したいので、できるだけ教室に通いたいと思っているのです。
今制作しているのは陶のボタンです。
ボタン好きが高じて、数年前から陶でボタンを作っているのですが
奥が深くてあれこれ試行錯誤しています。
釉薬をかけた艶やかなものより素朴な土の色が好きなので
寄木細工のように何色か土を合わせて錬り混み、金太郎飴のように
切って縞模様にしたり、下絵具で色を付けてアクセントにしたり
マットの柚薬や顔料、粘土の研究をしたり・・・
最近やっと自分の好きなイメージが定まってきたので、少しずつ
気に入ったものがカタチになってきました。
まだまだサンプルを作っている段階ですが、いずれは自分の小さな
窯を持ちたいと思っているので、陶ボタンを通して温かな気持ちに
なるものを発信できたらと、ささやかな夢を抱いているのです。

以前、このダイアリーで紹介した水栽培のヒヤシンスが、帰省している
間に花を咲かせました。
下駄箱の上に置いていたのでドアを開けた瞬間にヒヤシンスの清々しい
香りに迎えられて、この家での新年を華やいだ気持ちでスタートする
ことができました。
ヒヤシンスはどの色も好きですが、ピンクのヒヤシンスにはステキな
思い出がいろいろとあります。
ハルノタネというタイトルの個展をした時に友人がお祝に贈ってくれた
とってもお洒落な花束もピンクのヒヤシンスでした。
別の友人は自分で球根を植えて個展に合うように、花を咲かせてきて
くれました。
透明のビー玉や和紙で綺麗にラッピングされた鉢植は会期中あたたかな
気持ちにさせてくれました。
見ているだけで幸せになるピンクのヒヤシンス、素晴らしい香りと
一緒に、これからもハッピーな思い出をたくさん届けてくれそうです。

写真はラベイユという蜂蜜専門店のLIMONEという名前の
イタリアの蜂蜜です。
ラベルに採蜜地や養蜂家の名前が記されていて、ちょっと特別な
気持ちでひとさじ舐めてみました。
控えめな甘さとレモンの香りの小さな結晶が、舌の上ですぐに溶けて
柔らかな甘味と酸味のバランスが素晴らしくて、シャリシャリとした
食感と軽い口当たりが癖になる美味しさでした。
南イタリアの大きくてりっぱなレモンの花から、ミツバチ達が
一生懸命運んだ蜜をはるばる日本で味わっていると思うと
なんだか不思議な気持ちになりました。
たくさんの力を秘めている蜂蜜、まだまだ奥が深そうです。

近所の商店街の街灯には鳥の親子が止まっています。
普段は気にもとめないのですが、酉年ということもあって
なんとなく鳥が気になって、ふと立ち止まって見上げてしまいました。
よく見るとなかなか可愛い街灯です。
こんなふうに、ちゃんと向き合うと寂れた商店街も、なんとなくいい味を
だしていることに気付きます。
今年の抱負やテーマはいろいろあるけれど、「ちゃんと向き合う」も
ぜひ実行してみたくなりました。

今朝、すごいお宝が宅急便で届きました。
依頼主を見るとイタリアに住んでいる友人のお母さんの名前が書いてありました。
箱を開けると袋に入った大量の切手と2册の切手ファイルが出てきました。
びっしりとファイルされた切手は主にヨーロッパのもので、中国や日本の古い切手、スポーツや
植物や動物、イギリスの皇室関係のものなど綺麗にジャンル別けされていました。
「お役にたてれば幸いです。必要なければ処分してください」という短い手紙からはどうしたら
いいのかわからないので、お電話させて頂くことにしました。
お母さんのお話によると袋に入った切手は、イタリアの友人が切手を集めている私に送ってくれた
もので、2册の切手ファイルは20年前にドイツに住んでいたお母さんの弟さんが送ってくれた切手
などをファイルしたものだということでした。
もう見る事もないので、切手好きの私によかったらどうぞということだったのです。
こんなに大量の貴重な外国の古い切手を見たことがないので、クラクラしてしまいましたが
友人のお母さんのお言葉に甘えてありがたく頂戴することにしました。
切手好きの私には、なんだか夢のような贈物でした。
どうもありがとうございました!!!!!

お正月は郷里の福井に1週間程、猫と一緒に帰省しました。
普段なかなか親孝行らしいことができないので、お正月とお盆だけはゆっくりと両親と過ごすように
しているのですが、姪や甥と遊ぶのもとても楽しみです。
友人と友人の子供達と会うのも毎年恒例になっていて、みんなでカルタやゲーム、粘土遊びをしたり
いろんな話をしたり、今年の抱負を語り合ったり・・・
会う度にすこやかに成長して、中学生になってもずっと遊びに来てくれて、ほんとうに嬉しい!
毎年同じような繰り返しだけど、そんな変わらないお正月がなんだか幸せです。

今年はお正月に雪が降って30センチほど積もりました。
私は姪と一緒に大きな雪だるまを作って、甥は生まれて初めての雪遊びに大喜びしました。
ネネは毎朝雪の中を出掛けて、夜はコタツの中で眠りました。
実家の猫リリーは毛布に包まって、じっと雪景色を見ていました。
近所のトラ猫ミーちゃんも寒いのに毎日懲りずに御機嫌伺いにやって来ました。
みんな元気に新しい年をスタートしました。


新年あけましておめでとうございます。
今年もどうぞ宜しくお願い致します。

ホームページを開設して、すっかり夜更かし癖がついてしまったので
今年の抱負は「早寝早起き」です。
毎年そんなことを言っているような気もしますが今年こそは本気で
メリハリのある生活をしたいっ!!
去年は頭の中がホームページのネタ探しモードになっていたので
ミカンを食べるときも、いちいちアートして皮を剥いたり・・
今年も役に立つよーな立たないよーな日常の個人的な小さな事を
このダイアリーでお届けしたいと思います。
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